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「Server-Side Kotlin Meetup vol.19」開催レポート

「Server-Side Kotlin Meetup vol.19」開催レポート

公開日

2026/7/28 06:30

2026年7月3日(金)、東京都中央区日本橋のFinGATE KAYABAでServer‐Side Kotlin Meetup#19 『オフラインLT大会!』が開催されました。Server‐Side Kotlin MeetupはサーバーサイドKotlinユーザーのためのコミュニティで、2〜3か月に1度、情報交換を目的としたハイブリッド型のイベントを開催しています。justInCaseTechnologiesは、2022年から運営企業としてイベントをサポートしており、今回は会場とケータリングの提供を担当しました。この日は、運営メンバーも含め約30人が参加しました。

今回のイベントでは、Kotlinの最新機能の解説をはじめ、実際のサービス開発における技術選定や振り返り、大規模プロダクトでの検索設計、さらには開発効率を高めるツール制作まで、サーバーサイドKotlinの実践的なノウハウが幅広く共有されました。

当日の各セッションの模様をレポートします!

スポンサーLT:技術スタックの選定と振り返り

登壇者:小佐野 洋 氏(株式会社justInCaseTechnologies / CTO)

トップバッターとして登壇した当社CTOの小佐野は、2021年に行った技術選定について、5年が経過した2026年現在の視点から振り返りつつ、選定のポイントや今思うことについて発表しました。

金融・保険分野のシステムで求められる厳密なデータ処理や複雑なドメインモデルへの対応を踏まえ、Kotlinを中心とした技術スタック(Spring Bootなど)を採用した経緯を紹介。結果としてKotlinの採用は大正解だったとしつつも、OpenAPI Generatorによるコード生成では、運用上手直しが必要になる場面もあった点や、一部の非同期処理ライブラリ同士の組み合わせでは調整に苦労した点など、実際の運用を通じて得られた知見を共有しました。

招待LT:Kotlinで作る Hybrid Search ー3つの設計ー

登壇者:榎土 景介 氏(LINE Digital Frontier株式会社)

続いて登壇したLINE Digital Frontierの榎土さんは、累計5,500万DLを超える「LINEマンガ」の検索機能を支える設計について紹介されました。

大規模なサービスにおいて、検索の精度と応答速度を両立させるため、同社ではキーワードの一致を見る検索手法と、文章の意味合いの近さを見る検索手法の2つを組み合わせる「ハイブリッド検索」を採用しています。その設計において、Kotlinの非同期処理機能を活用して2つの検索を同時に実行する工夫や、算出されたスコアを最適に組み合わせる仕組み、さらに2ページ目以降の検索結果を速やかに返すためのデータの保存方法などが解説されました。膨大な利用者を抱えるサービスならではの工夫が詰まったセッションでした。

公募LT:どうして今 サーバーサイドKotlinを選択したのか

登壇者:野呂 有我 氏(株式会社ニーリー)

3番目に登壇した野呂さんは、システム開発の言語をこれまでのPythonからKotlinへ変更した理由と、導入にあたって工夫した点について語りました。

複雑化するシステムのルールをミスなく安全に表現し、AIによるコーディング支援も安全に活用できるよう、JavaやGoなどの候補と比較検討した結果、Kotlinが最も適していると判断したとのこと。懸念されがちなクラウド環境(AWS Lambda等)での起動速度の遅さについては、軽量なフレームワーク(Quarkus)を導入することで解決し、数十ミリ秒レベルの素早い応答を実現できた実績が紹介されました。

公募LT:Context Parameterから見る関数の暗黙的な依存について

登壇者:@Udomomo 氏

4番目の@Udomomoさんは、Kotlin 2.4で正式に提供された新機能「Context Parameter」について、その背景と進化の過程を整理して発表しました。

ログイン状態の確認やログの出力など、プログラムの様々な場所で必要となる情報をスマートに引き渡す仕組みは、これまでも試行錯誤が重ねられてきました。過去の仕組み(Context Receiver)では情報が混ざり合ってプログラムの構造が分かりにくくなる課題がありましたが、今回のアップデートにより、情報を明示的に区別して扱える安全な仕様へ改善されたことを分かりやすく解説されました。

公募LT:Kotlin 開発のツラミを爆破した話!

登壇者:Kengo TODA 氏(株式会社ヘンリー)

セッションの最後を締めくくったのはTODAさんです。プログラムのチェック(静的解析)を行う既存ツールの動作速度に課題を感じ、より高速な代替ツール「inspequte」を自作したエピソードを披露されました。

AIを活用したコード生成が広がる中では、チェックツール側は「とにかく素早く動き、AIに分かりやすく修正箇所を伝えられること」が重要になると指摘。プログラミングの処理手順を一つずつ可視化してボトルネックを特定・修正していくことで、非常に高速に動作するツールを完成させた過程が語られました。これからの時代のツールづくりの方向性を示す内容となりました。

まとめ

今回のイベントは、Kotlinの最新の言語仕様から、数年間にわたる運用の振り返り、他言語からの切り替え事例、検索エンジンの設計、そして開発ツールの自作まで、サーバーサイドKotlinの活用事例や運用ノウハウが幅広く共有され、その活用領域の広がりを感じられるイベントとなりました。
LT終了後に行われた恒例の懇親会にも多くの方にご参加いただき、会は最後まで大いに盛り上がりました。

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